生活や産業に欠かすことのできない交通システム機器の開発・製造を主業務にしている企業。“技術提案型メーカー”を志向しており、技術をもとに新しい何かを社会に提案していくような柔軟な発想の技術者に期待がかけられている。近年は設計部門、研究開発部門の増強が目立っており、設計・開発担当の技術者は全社員の30%に達している。組織の柔軟性・機動性も高く、技術者のアイデアが十分に生かされる体制にある。

交通関連システムを中心に、社会性の高い事業を展開

 当社は、道路交通の情報システム機器をはじめ、社会に欠かせない製品に取り組んでいる開発・製造メーカーです。その製品群は、交通端末制御機から超音波車両感知器、バス管理システム端末機、気象観測装置、画像処理装置、防災通信装置、そして自動検査機器などの省力化機器にまでわたっています。とくに交通関連での実績は高く、交通システムの発展とともに成長を遂げてきた企業といえるでしょう。日本の道路交通事情はまだまだ十分とはいえず、首都圏では慢性的な交通渋滞が起こっています。インフラ整備の中でもとくに重要な課題になっているのが交通であり、その課題を解消していくカギになるのが先端技術です。たとえば、衛星通信を利用したカー・ナビゲーションシステムも登場し、さらに自動運転も可能にするような新交通システムへと発展していこうとしています。また、実際の動画像までを扱うマルチメディア利用の交通システムも実現しようとしています。交通分野は市場的にも、また技術開発という観点から見ても、大きな可能性を秘めた分野なのです。

技術提案型メーカーとして、技術部門を積極的に拡充

 “技術をもとに社会に対して新しい機能を提案していく”。当社がめざしているのが、そんな技術提案型メーカーとしての活動です。そのためのカギになるのが技術部門の強化・拡充であり、研究開発費の投入、技術者の配属などを積極的に行っています。技術部門は、第一・第二設計室、商品開発室、開発室から構成され、現在では全社員の30%がR&Dや設計・開発を担当しています。また当社では、量産品ではなく、システム機器を手がけているため、“機動力”にあふれる開発体制を大きな特徴にしています。たとえば設計室では、テーマや開発製品が決まると、ハード・メカ・ソフトの技術者がチームを組んで、お客様との技術打ち合わせから仕様決定、試作品づくり、詳細設計、さらに生産技術にいたるまで、すべてのプロセスを一貫して担当していきます。こうして技術者のアイデアがダイレクトに反映され、個性的な製品が生み出されていくのです。

R&Dの主要テーマは、画像処理、情報通信、振動工学

 研究開発を担当しているのが開発室。画像処理、情報通信、振動工学をはじめとして、将来に向けて新技術の開発、基礎技術の研究に取り組んでいます。新しい例としては、「圧力分布計測システムCAPAS」を完成。これは、人間工学の要素も含めた先進の画像処理システムで、人間の足の裏の圧力分布や重心などをリアルに計測し、アナライズしていくものです。もちろんこのほかにも、続々と研究開発の成果が実を結びつつあります。