個性豊かなカーライフ文化を創造

 今や、クルマは生活の必須アイテムとして定着し、一般の人々の生活の中で重要な位置づけを持つようになっています。単なるステイタスシンボルや実用品という域を超え、それぞれにカーライフを創り上げる時代が訪れているのです。こうした中、当社では“個性豊かなカーライフ文化の創造”をテーマに、人々が望む便益性を徹底的に追求。個性豊かなカーライフづくりに大きく関わっていくことをめざしています。単に売上拡大だけにとらわれるのではなく、お客様にとって本当に価値のあるビジネスを展開する。そして利益はお客様に満足を提供した結果である。“願望実現”を社是として掲げる当社の事業の根底には、価値ある提案という考え方が息づいているのです。

FC方式による積極的な店舗展開

 1994年12月末現在、当社の店舗は全国に377店。このうちレギュラーチェーン(RC)と呼ばれる直営店が55。そのほかの322店は、フランチャイズチェーン(FC)方式の加盟店舗です。基本的なショップ経営のノウハウ、商品、システムなどは本部で提供。また、グループ内の情報ネットワーク“ANS”で収集した情報をもとに的確な分析を行い、地元に根を張ったFC企業による店舗経営を強力に支援しています。もちろん今後もハイペースで新規店舗の開設を行い、1999年までに500店舗の店舗網を形成していく計画です。一方、1991年5月には台湾に海外第一号店を開設。商品直輸入の現地法人もシンガポールと香港に設立しており、海外での事業にも目を向けています。

20年あまりで一部上場企業へ

 当社の第一号店が東大阪にオープンしたのは1974年のこと。以来、充実した商品とフランチャイズによる積極的な店舗展開によって、急成長を遂げてきました。とくに1986年から現在まで二ケタ成長を続行中。グループ全体の売り上げは、1994年3月期で2107億円に達しています。1995年3月期には2319億円の売上高を達成する見込みで、二ケタの伸び率を記録。深刻な不況下にあっても、当社の成長パワーは衰える様子が全くありません。一方、1989年には大阪証券取引所第2部に株式を上場し、1993年委は東証・大証の第一部に株式の上場を果たしています。パブリックカンパニーとして社会からも認められ、より安定した経営基盤のもとで事業を展開しています。

売上高の2割が自社の開発商品

 当社の各店舗で扱っている商品は6000〜1万5000点にのぼります。タイヤだけを見ても国内・海外のあらゆるメーカーの商品を網羅しています。しかし、多様化するニーズに的確に応えるには、既製の商品を豊富に揃えるだけでは限界があります。店舗はお客様の生の情報が豊富に集まる場所であり、当社自身の手でニーズをダイレクトに反映した商品づくりができるはず。当社ではこうした考えから、オリジナル商品の開発を意欲的に進めています。すでにタイヤ、エンジンオイル、アクセサリーなど全商品分野で、独自に企画し商品化したプライベートブランド(PB)を導入。その数は1700〜2000点にものぼり、売り上げの20〜25%を占めるまでに至っています。

クルマの枠をこえた多角的な事業

 当社では、カーライフという枠にとらわれることなく、幅広い視点から活発に新業態の開発を行っています。横浜市にはAV機器からDIY、日用雑貨、宝石まで多彩な商品を取り扱うディスカウントストア<壱番館>をオープン。現在では、ビデオテープやカセットテープを扱う<テープランド>のほか、大阪市には世界各国のカーオーディオ機器を一堂に集めた専門ショップ<カーオーディオ壱番館>もオープンするなど、さまざまな個性を持った店舗を運営しています。また、大阪・吹田市ではカーディーラーとしての活動も行い、ユーノス車の販売に取り組んでいます。当社のフィールドは、カーライフから生活全般の領域へと広がろうとしているのです。

知名度や企業イメージを高める

 当社では対外的な広報活動にも力を入れています。社会全般で会社の知名度をアップし、企業イメージを高めていくことが、社内の組織の活性化や社員のモラルアップにも影響してくるためです。すっかり有名になったテレビCFでは、ユニークなキャラクターのタレントを起用すると同時に、“オープンボンネットキャンペーン”のように、女性層などクルマにあまり詳しくない層の開拓を主な目的としたPR活動も行っています。このほか、「F1グランプリ」をはじめ、世界一過酷なレースといわれる「パリ〜北京マラソンレイド」などのレースをスポンサード。また、「パリ〜ダカールラリー」に参戦するなど、各種のモータースポーツにも積極邸に参加しています。

希望するキャリアプランを社員本人が選択

 当社では、新たに“キャリアスタイル別採用制度”を導入しました。これは自分の人生プランなどをもとに、3つの基本キャリアプランの中から1つを選択。それぞれのコースに応じたキャリアアップをめざしていく制度です。この制度は2つの考えから誕生しました。一つは時代にマッチした人材戦略によって次代に必要な人材を育成。成長の活力を生み出し、グループ全体のパワーアップを図っていくこと。そしてもう一つは、多様化する仕事の価値観への対応です。仕事を通じて成長していきたい社員にも、生活を中心に考えたい社員にも、それぞれの個性や目的に合わせて、自分らしく生きていくステージを用意していこうという考えているのです。

仕事を通じて自己の能力を高める

 将来的に店舗運営の幹部や、グループの本部スタッフをめざすのがコース1です。仕事を通じて自己を高めていきたいというビジネスライフプランを想定しています。入社後は各店舗やグループ本部の各部門などに配属され、当社のビジネスの基本を学びます。経験を積んだあとは、フロア長や店長などの店舗運営の幹部、グループ本部のスタッフへとキャリアアップしていきます。一口に本部スタッフといっても経営企画、商品企画、バイヤー、広報・宣伝、管理スタッフ、システム開発などまで職種は多種多様です。中には商品を徹底的に勉強して店長経験のないままバイヤーになった例もありますし、店舗運営やマネジメントを確実に学び、店長職を経てから本部に異動する社員もいます。本人の努力と能力次第なのです。

将来は希望の地域で経営幹部へ

 社員の中には、将来は地元に帰って仕事をしたいが、まだその時期ではないという人もいます。あるいは、地元に帰るにしても、若いうちに徹底的にビジネスの基本を勉強しておきたいという希望を持った人もいます。しかし、いずれにしても地元に帰るために会社を退職してしまうのは、なんとも残念な話。こうした人生プランにも対応し、社員が希望通りに地元の店舗で仕事に取り組めるようにと、柔軟な考え方から用意されているのがコース2です。入社後は、まず各店舗に配属され、店舗業務をマスターしていきます。その間、店舗運営の幹部育成のための研修プログラムが計画的に受けられる仕組みになっています。違った視点から見ると、早い時期から経営に関わるポストで活躍するチャンスが広がるコースともいえるわけです。

職住接近のライフスタイルを重視

 仕事を選ぶ際には、まず勤務地エリアを限定して、その中で優良な企業を探すという“地元志向の就職活動”を進める人も決して少なくはありません。当社ではこのように第一に勤務地を重視する社員の希望にも応え、それぞれの希望に100%沿った勤務地で仕事に取り組めるコースも設けています。たとえば、家庭やボランティアなどの事情で転勤ができないという人、勤務地にこだわりたいという人、職住接近のライフスタイルを求めている人に最適のコースといえます。もちろん基本的には自宅から通勤できる範囲の店舗に配属され、転居を伴うような異動・転勤はありません。また、希望によっては地元以外の別の地域への配属も可能ですから、Jターンをめざす人のニーズにも応えられるコースとなっています。