まずは豊富な実績を
よく見てみる

 「本州四国連絡橋」「東京湾横断橋」「横浜ベイブリッジ」「リニア実験線橋梁」「東京都庁舎」「福岡ドーム」「ランドマークタワー」「両国国技館」「幕張メッセ展示ホール」「ザウススキードーム」「横浜国際平和会議場」、そして工事中のものでは「明石海峡大橋」などまで。同社の工事実績は、有名なものだけに絞ってざっと挙げただけでも、限りなく出てくる。しかもそのほとんどが新工法・新技術などで注目を集めているものばかりである。近年、橋梁は長大化し、建築物は大型化・複雑化する傾向にある。さまざまな分野の企業が関わりながら進められることが多い。だが、そうした背景を考えるまでもなく、同社は国家的なプロジェクトに数多く参加している点で目立つ。「数多く」というより、「ことごとく」という感じである。豊富な実績を築いている要因に触れる前に、同社の横顔を簡単に紹介しておくと、設立は昭和三八年、㈱横河ブリッジを母体として生まれた。設立以来、橋梁工事の架設工事の分野で実績を構築。近年では、こうした架設の技術を大型建築物や大空間構造物などに応用し、建築分野へも進出を図っている。また、一九九三年には東証二部へ株式上場を果たすなど、安定した経営を展開中である。

高い評価を得ている
架設工事の総合技術力

 実績の背景にあるのが「技術力」だということはだいたい想像がつく。では、同社はどんな技術を持っているのだろうか。同社が得意とするのは、架設工事という分野である。架設とはつまり、橋を架ける技術のことだ。橋梁工事では一番の基本となる部分であり、ここに技術力を積み重ねているのだ。架設の技術は実績に基づいた「ノウハウ」の部分が多く、企業間の技術格差もつきにくいのだが、そんな中でもとりわけ同社の技術に対する信頼は厚い。というのも、同社は自社内に研究開発部門を持っており、鋼構造物からコンクリート構造物にいたるまでの基礎的な研究開発、あるいは計画立案やCADによる構造解析、そして施工に活用する設備機材や機器システムの開発にまで取り組んでいる。こうした果敢な新技術への対応が、架設工事の「総合技術」を形成していきたわけである。この「総合技術力」を持つ数少ない企業として、高い評価を獲得しているわけである。最近では、架設工事の技術を建築分野へも応用し、大空間構造物・大規模建築物の工事でも架設の技術を発揮している。今後も、国家的なレベルの超大型プロジェクトの一つ一つに同社の名前が刻まれていくことであろう。