同社はN自動車100%出資の特装エンジニアリング企業。商用車・福祉車両・RV系車両・未来カーなどの幅広い特装車両を、企画から設計・開発・製造までトータルに手がけている。とくに'95東京モーターショーでは、ベース車の新型テラノと同時に特装モデルを発表するなど、ベース車開発の初期段階から日産自動車と密接に関っていることをうかがわせる。また社内には、技術者のための充実した開発環境が広がっている。
特殊なクルマのニーズに応える
特装エンジニアリング企業
当社は1986年、N自動車の特装部門から独立する形で生まれた企業です。その事業内容は、保冷車や冷凍車などの商用車、福祉車両、RV系車両、ソーラーカーや電気自動車などの未来カー、さらに各種カスタムメイド車両など、特殊な装備の少量限定生産車を手がけていくこと。業務領域としては、企画から開発、生産、販売までにわたり、カーメーカーとしての一貫した機能を有しています。特装車両はそのほとんどが少量生産車で、しかも専門的で特殊な機能の付加といった高度な内容が要求されます。たとえば、建機や重機の修理やメンテナンスを目的とする移動サービスカーは、Nアトラスをベースに、30種類以上の大型装備・装置を搭載。ハネ上げ式の側面とびらなど、カスタムメイドのニーズにも十分に応えていきます。また最近では、チェアキャブ(車イス搭載用車両)に対するニーズも高度化していますが、当社では自社開発のLUCOをはじめ、各種のベース車によるチェアキャブをシリーズ化しています。さらにRV車では、4WCDの新型テラノをベースに、本格的オフローダーの当社バージョン「アストロード」を開発。ベース車との同時発表を行い、開発の初期段階からプロジェクトに参加する当社の重要なポジショニングをもアピールしました。
商品企画から設計、製造まで、
トータルに手がけていく環境
技術者のための充実した開発環境も、当社の大きな特徴です。設計室のコンピュータはすべてテクニカルセンターとリンクし、常時最新のデータのやりとりが可能になっています。また、新車設計やカスタムメイドに欠かせないデザインCADやANEMS(部品調達システム)などの最新のツール類も積極的に活用できるようになっています。さらに技術部門の組織も柔軟で、技術者は細分化された開発業務の一部分だけを担当するのではなく、商品企画から設計、製造までクルマづくりにトータルなアプローチができる体制になっています。それだけに、技術者の創造性を満足させるには絶好の環境といえるでしょう。