今、私のデスクには専用のDOS/Vパソコンがあり、有効に情報を活用できるようになっています。たとえば、社内の情報ネットワークでは電子メールでのコミュニケーション、データベースからの情報収集をしています。また、インターネットなどにもアクセスし、世界中の最新情報に目を向けています。
私が、情報を大切に考えているのは、技術者や技術企業にとって情報力が大きなカギになる時代を迎えているためです。中でも、当社のようにフィールドサービスを手がける会社にとって、情報力は将来の成長を左右するものといえます。当社ではCS(顧客満足度)を重視し、お客様本意のサービスに努めていますが、それは技術者本意の先端技術ではなく、お客様が役に立つ技術とサービスを提供していくことを意味しています。そこでは、世界中の最新技術情報や個々のユーザー情報など、いろいろな情報を蓄積し、技術者が知恵を働かせ、お客様が望まれる形にコーディネイトしていくことが求められているのです。情報力が、技術力の主要な要素になったといっていいでしょう。ですから、技術者が情報に対して敏感な姿勢を持つことは欠かせませんし、こうして情報ネットワークにアクセスされている皆さんに対して、メッセージを発信できることを非常に有意義に感じています。
当社は、無線通信機器、情報機器、半導体製造装置という3分野を持ち、ハード・ソフト両面からフィールドサービスを手がけている会社です。私たちの仕事は、ユーザーが常に最適の状態で機器やシステムを活用できるようにサポートしていくことであり、日常的にユーザーが機器やシステムを活用している現場を見ています。実際にどんな問題点を持ち、何を望んでいるかも熟知しています。こうした情報は、フィールドサービスはもとより、機器の開発活動にも貴重な役割を果たします。その意味では、トータルなインテグレーションを展開するだけの情報力を持った会社といえ、今後最も必要とされるソリューションが提供できる技術者を育成する環境にあるといえるでしょう。
また私は、社員のアイデアや意見も情報の一つと考えています。私自身、国際電気の人事部長時代に、フィールドサービス専門企業の設立を提案しましたし、その提案が採用されて当社が生まれ、言い出した私が経営を任されることになりました。そうした経緯もあり、社員の声を大切にしていきたいのです。当社は今年が設立8年目の新しい会社です。社員一人一人の提案を生かし、当社ならではの環境や風土を形づくっていきたいと考えています。