教育の技術を革新し、新しい教育体系の
構築をめざす当社の原点がここにある。

日本の教育は理想にはまだまだほど遠い。
おそらくほとんどの人がそう感じていることだろう。
そう考えただけで、
教育産業に生きる当社の使命はもう明らかである。
そして教育は時代とともにまた新しい形へと姿を変えていき、
当社が掲げるテーマも永遠になくならない。
東進宣言は当社の社員全員が共有する経営理念である。
この理念を繰り返し読み、
いろいろな観点からじっくりとその意味を考えてほしい。

当社の歴史は、旧態依然とした
教育産業への挑戦の歴史である。

 九六年三月、当社は売上高一四〇億円を達成した。不況下にあって二ケタに近い伸びを示したことはもちろんだが、経常利益が一六億一二〇〇万円と対前年比八一%の高率をマークしたことに注目が集まっている。若年層の人口減少が叫ばれてから、どのくらいの年月が過ぎただろうか。一八歳人口は九一年にピークの二七〇万人に達してからは徐々に減少し、二一世紀には一五〇万人を切ることになるだろうというのが厚生省の見方だ。そのため、予備校や学習塾の経営はすでに厳しい時代を迎えているのである。実際、多くの予備校や学習塾が業績を悪化させており、当社はそうした状況の中できわめて好調な業績を実現したことになる。その要因の一つとして、たとえばFC展開による衛星授業という、当社独自の新しい手法があげられる。

教育はビジネスであると考え、
株式会社の組織を貫いてきた。

 当社は、予備校・学習塾の経営を事業の柱にしている。ほとんどの予備校は学校法人であり、学校として事業を運営している。だが、当社は設立以来、株式会社の組織を貫いてきた。まるで利益至上主義の会社のように思われるかもしれないが、当社が株式会社でいる理由はもっとほかのところにある。当社では「教育はビジネスである」というスタンスをとっている。学校法人には、運営面で様々なメリットがあるのだが、逆に言えば、その分だけ制約も多い。教育事業が学校法人という枠の中ですべて完結できるとは考えられない。教育の技術革新やイノベーションを図るには、斬新な戦略や積極的な投資も必要になる。株式会社のほうが新規事業が展開しやすく、資金調達の面での柔軟性があり、新しい教育のスタイルがつくりやすい。株式会社組織は、理想をめざして、常に前を見てきた当社の企業姿勢を示す一つの特徴なのである。

理想の教育をめざした活動を、
周囲は「常識破り」と表現した。

 事実、現在の当社の事業は、学習塾・予備校の経営のほか、そのFC展開、あるいは出版事業や放送事業まで、教育をテーマとしながらも、他の業種にまでその領域を広げている。そもそも、社長が大学在学中に自宅のアパートで学習塾を始めたのは、一九七一年のことだった。この自宅の教室が当社の前身である。卒業後は、証券マンとして金融ビジネスの世界に入ったが、家族の助けを得て学習塾は続いていた。そして、七六年に証券マンとしての生活にピリオドを打ち、株式会社当社を設立し、まずは小中学生向けの学習塾からスタートする。新しい経営手法が目立つようになったのは、八〇年代になってからである。八四年には、学習塾としては初めて全国紙に全面広告を打った。さらに、歌手をゲストに迎えた一大イベントを武道館で開催し、一万人の小中学生を集めた。斬新な広告・宣伝による拡大戦略をとったのである。もちろん、当時の学習塾の世界では、常識破りとしか言いようがない大胆な戦略だった。

フランチャイズという
かつてない手法で全国展開。

 主要事業である大学受験の学習塾は、ソフト、すなわち講師陣の充実を図ることから始められた。有能な講師による中身の充実した授業をセールスポイントにしたのである。この戦略は成功し、生徒数は急速に拡大した。その次の課題は、充実した授業をより多くの人々に受講してもらうことだった。九〇年から教室の展開を開始したが、直営校を全国的に開設していくには限界があった。選りすぐった講師陣こそが当社の特徴であり、急拡大によって講師陣の質が低下してしまうことは絶対に許されない。こうした中で生まれたのが、衛星授業「サテライブ」とFC展開による「衛星予備校」だ。通信衛星で中継をすれば、優秀な講師の授業を大勢の生徒にリアルタイムで提供することができる。もちろん、授業が一方通行にならないように、生徒が質問できるシステムを採用し、FC拠点となる加盟校には情報やノウハウを提供し、理念への理解を深めてもらい、同時に生徒へのフォローも徹底した。

一九八八年の株式公開が、
事業展開に拍車をかける。

 衛星授業という積極展開を可能にしたのが、一九八八年の店頭公開による経営基盤の拡充だった。株式公開を果たしたことで外部からの資金調達が可能になり、様々な先行投資が活発化した。それが現在の好調な業績へと結びついているのである。八九年三月期の売上高が三六億円だったことを考えれば、株式公開が当社の成長に拍車をかけたことはわかってもらえるだろう。
 もちろん業界トップへと成長するまでには、何もかもが順風満帆だったわけではない。「三大予備校」という大きな壁も長い間当社の前に立ちふさがっていた。とくに三大予備校の模擬試験は受験生の支持が根強く、これが生徒獲得のネックになっていた。また、有名講師のスカウトは、講師の年俸の相場をアップさせることにつながり、他の予備校から批判の声があがったこともあった。
 数々の難題をクリアしてきた要因としては、確かに新手法による経営手腕が見逃せない。しかし、その根底に流れているのは、現状の教育に不満を持ち、自らの手で教育のイノベーションを果たそうとする熱意なのである。その熱意は、設立以来20年を経た今でも何ら変わることはない。

デジタル多チャンネル放送への参入は、
当社が迎えるべき必然の局面だった。

開かれた放送ビジネスへの
果敢な参入が意味するもの。

 九五年八月に打ち上げられた「JC−SAT三号機」。これは、通信衛星による日本初のデジタル放送を可能にする新型通信衛星だ。デジタル放送は電波を圧縮できるため、アナログ方式よりもはるかに大量の情報を送信することができる。そのため、テレビが五三、音声がおそよ一〇〇というチャンネル数の確保が可能になった。こうした五〇チャンネル以上の放送は「衛星デジタル多チャンネル放送」と呼ばれ、九四年六月には世界初の衛星デジタル多チャンネル放送がアメリカでスタートした。日本では九六年九月から放送が始まる見通しで、すでに三九の会社が参加の名乗りを上げている。これまでなら、電波には限りがあり、放送事業者も限定されていた。ところがチャンネル数の急増、放送事業に新規参入するチャンスが訪れたのである。
 当社ではいち早く、この衛星デジタル多チャンネル放送に参入することを決定した。従来の衛星授業では、直営校やFC加盟校に配信先が限られ、受験生の家庭に直接授業を提供することはできなかった。それが、可能になった今、一大イノベーションをめざそうとしているのである。近くにいい予備校がない受験生も、アンテナとデコーダーを購入して希望する講座を申し込めば、自宅のテレビで「在宅授業」が受けられるようになる。全国各地で、レベルの高い授業が受けられるというわけだ。長い時間をかけての予備校への通学も、深夜におよぶ学習塾通いも大幅に解消され、受験の地域的なハンディキャップまでもが埋められるようになるだろう。また、双方向通信も可能なため、将来的には単に授業を「見る」だけでなく、在宅のまま「出席」できるような仕組みも可能になるだろう。授業のスタイルが、大きく様変わりするわけである。
 ただ、便利だからといって、それだけで理想的な教育体制になると言い切ることはできまい。授業の中には、集合授業という形態であってこそ効果を発揮するものも少なくない。そこで、これまで展開してきたFC加盟校がターミナル的な機能を発揮し、FC加盟校のスタッフがきめ細かな学習の指導や相談、コンサルテーションを行っていくことになるだろう。

教育総合産業を標榜する基礎が
当社にはすでに揃っている。

 大きなビジネスチャンスを迎えていることは間違いないが、当社自身もまだ多チャンネル放送の具体的な可能性を模索している段階である。大学受験だけに限らず、当社が推進している教育事業の授業、そのすべてを家庭に届けることはできる。教室や校舎というハードに固執することなく、効率的な経営が行える。それよりも、もっと大きな付加価値を生み出していく予感さえある。
 衛星デジタル多チャンネル放送への参入は、放送事業への進出とも言い換えられる。放送する授業は、番組である。教育という基本テーマに沿っていれば、従来の当社の枠にこだわることはない。名乗りを上げた三九の会社とは、各放送局や外部協力企業、電機・電子メーカー、あるいは大手商社などが主体で、いわゆる教育の専門企業は当社だけの状態である。逆に異業種からの在宅学習への参入も活発化し、競争は激しくなっていくだろう。その意味でも、当社が今までのFC展開から、未来の在宅学習ビジネスに必要な基礎を築いていることは大きい。
 近年、企業における実力主義の浸透、高齢化社会への移行などによって、生涯教育に対する関心は飛躍的に高まっている。人々が「自分を磨く行動」のすべてが、当社のマーケットになるのである。企業で行われている新入社員研修のうち、一般的なビジネスマナーを習得する「社会人研修」などは、衛星放送による在宅研修でも対応可能だ。通信衛星では、衛星一基で東南アジア全域をカバーできるため、国際化時代を反映した海外勤務者、あるいは帰国子女などに向けた教育放送もビジネスとして可能性を秘めている。

教育は変わらなければならない、
だから革新が必要なのである。

 そもそも教育の理想の姿は、変化するものである。企業の人事担当者に「理想の人物像」を聞けば、一〇年前と今とでは全くと言っていいほど違う答えが返ってくるに違いにない。コンピュータの出現によって、ビジネスマンに求められる能力は大幅に変わってきたし、国際社会の中で日本人が果たすべき役割も変わってきた。当然、教育のあり方も変わるべきなのである。
 大学の受験教育も例外ではない。偏差値重視の入試はいずれ見直されるだろう。大学の役割も変わらなければならない岐路に立たされている。合格することが「難関」であり、卒業は比較的容易だと言われる日本の大学も、欧米の大学ようなスタイルに変わっていくかもしれない。そうなれば、大学の授業や教育方針などが重要視され、もっと細かいポイントで志望校が選ばれるようになるだろう。たとえば、当社が大学と提携し、受験生に志望校の授業を試行的に在宅受講してもらい、その内容を志望校の決定の要素とすることもできる。一方で、大学の遠隔授業なども始まるだろう。そのコーディネイターとしての役割を果たしていくこともできる。当社の現在の事業は受験教育が中核になっているが、理想の教育に近づくなら、新しい教育スタイルに即したビジネスを展開し、社会の中でより意義の高い事業に取り組んでいきたい。
 繰り返しになるが、当社にはFC展開で培ってきた教育情報ネットワークがある。衛星事業によるサテライブの実績もある。そして今回の放送事業への参入。教育をビジネスと考える当社の二一世紀へのパースペクティブは、こうした強力な基盤のもとに未来戦略として打ち出される。総合教育情報産業への変貌を遂げるカウントダウンは、当社の社員一人一人の手で進んでいるのである。

教育の理想を追い求めていたら、
これだけの多角化が必要になった。

単なるブランドではない、
有名な講師陣による授業。

 ソフトの充実。当社の原点はここにある。教育で大切なのはソフト、すなわち授業の中身である。講師の能力が低ければ、生徒の理解度も向上しない。大学予備校部門では、そのために年俸の高い有能・有名な講師を全国的に集めている。
 ただし、講師だけの力で充実した授業ができるわけではない。教務部の社員は、授業の品質管理も受け持っており、モニターで授業を厳しくチェックしている。内容に疑問があれば、プロフェッショナルといわれる講師陣に対して細かい注文を出す。また、受験教育ではあるものの、偏差値だけにとらわれず、人間が本来持っている能力を引き出し、思考力、判断力、想像力を養う教育を行っている。授業の質を高めることに全力を注いでいるのだ。このほか、授業の進行が遅れている場合は、スケジュール通りに授業が進むように指示も出す。生徒に対しては志望校の相談から、成績の細かな管理までを行い、徹底的に合格までをバックアップする。当社には、全国五四七大学の過去一一年分にわたる入試問題データベースをもとに開発された基礎学習コンピュータなどもあり、革新的なシステムによって最大限の学習効果をあげている。こうしたソフトの質が評価され、人気を博しているのである。

それは、FCビジネスと
先端技術との融合だった。

 通信衛星の利用によって授業を直営校やFC加盟校へと配信するシステム。鮮明な画質と音声で人気の一流講師の授業が全国のFC加盟校に送られるわけだから、受験生からは圧倒的な支持を受けている。スタートから四年あまり、現在までにFC契約を結んだ学習塾や予備校は七〇〇校に達し、三年後には一三〇〇校の突破をめざしている。九五年からは中学受験の名門とも提携し、中学受験に向けた授業の配信にも取り組み始めた。
 衛星事業の成功の裏には、第一に通信衛星という情報通信システムの最先端技術にいち早く目を向けたことがあげられる。それも、ただ一方的に授業を流すだけでは成功しなかっただろう。もう一つ、教育におけるFCビジネスという新業態を確立したことが見逃せない。FCによるビジネスの仕組みを開発する。営業スタッフが全国をまわり、FCに加盟する地方の優良な予備校や学習塾を開拓する。もちろん加盟にあたっては、当社の教育理念を理解してもらわなければ、質の高いソフトの提供はできず、返って評価を下げることになってしまう。さらに、加盟後の安定した経営も不可欠であり、エリアカウンセラーによる生徒募集活動や教室運営の支援も緻密に行う。一貫したFCビジネスを確立が、伸長著しい当社の衛星事業の強力な基盤になっているのである。

当社の教育ビジネスは、
縦にも横にも広がっていく。

 たとえば、大学受験だけなら生徒との出会いは一度である。しかし、その生徒が大学生や社会人になり、また別の教育の機会を提供できれば出会いは二度三度と増えていく。若年層の人口減少が続く中でも、当社が成長を続けている背景には、このようにビジネス機会を増加させていることも大きい。その中核になっているのが、生涯教育事業である。資格取得講座をはじめ、カラーコーディネイト、フレグランス、フラワーデザイン、インターネットなどの教養講座を開講。日常業務に当然のようにパソコンが活用されている現状をにらんでビジネスマン対象のパソコンスクールも立ちあげている。新宿新都心の高層ビルに開校した「PCスクール」はそうしたニーズに対応し、「初心者のためのパソコン基礎講座」から「本格的なプロ養成講座」まで、様々なレベルのパソコン学習を行っている。
 こうした広がりを縦軸とするなら、横軸は異業種への進出ということになる。これまで積み重ねてきた予備校部門のソフトをもとにした出版事業も好調だ。シリーズの学習参考書は販売部数五〇万部を超え、マルチメディア時代を見据えたコンピュータ書籍や、CD付きのミュージカル絵本なども発行。今後は授業やテキストをもとにした新たな参考書の発行も予定している。
 これらすべてが当社の経営理念にもとづいた事業であり、株式会社だからこそ可能な、ダイナミックな展開によって切り開かれてきた。そして今、当社は総合教育産業として本格的な歩みを始めようとしているのである。

寺子屋形式の昔ながらの予備校は
もはや淘汰される時期に来ている。

教育産業をリードする企業としての
社会的な使命が当社にはある。

 社会への貢献。当社では、これが自分たちに課せられた第一の使命であると考えています。事業から得た利益を社会に還元したり、税金を納めたりすることで、社会の発展に寄与できます。さらにもう一歩進んで、教育という事業を通じて人々の幸福を実現していくことをめざしています。
 当社の事業は予備校や進学塾、衛星事業、生涯教育や出版事業まで、多方面への広がりを見せています。分野は多岐にわたっていますが、これらの事業は一つの共通した企業理念で結ばれています。私たちは理念を会社の日本国憲法のような位置づけにしています。「教育の技術革新を推進し」「新しい教育体系を構築しよう」という項目が、はっきりと記されているのです。
 国内には多種多様な産業がありますが、そのトップ企業は強い使命感を持ち、社会に大きく貢献しています。教育産業をリードするポジションにある当社も、自らの使命を全うしていかなければなりません。予備校を経営し、生徒が志望校に合格する。その生徒の人生に大きな可能性を開いたことになりますが、それだけでは十分な社会貢献とはいえません。それはプロの事業として行っていることであり、生徒やその家族から授業料をいただいているわけですから、企業はお客様の期待に応えて当たり前です。当社の目標はもっと奥の深い、教育の技術革新や新しい教育体系の構築というところにあるのです。

人々の知的欲求に応えるような、
新しい教育サービスを提案し続ける。

 一般の学生を見ていますと、どうやら現在の教育体系には三つの足りない点があるように思えます。第一に国際化への対応が不十分で、英語教育の抜本的見直しが必要なこと。第二に知的偏重の傾向にあり、徹底した体育教育が望まれること。第三に理論的思考力の養成がきわめて欠如していることです。真剣に日本の未来を考えると、最低でもこれらを解消するような教育機関をつくらなければいけないと感じています。
 勉強という言葉には、おそらく多くの人が「やらされる」というイメージを持っていることでしょう。しかし、勉強や学問は、自らを高めていくために自分の意志で取り組むものです。それが健全な姿のはずです。ですから、受験勉強だけに偏らず、「学習することが喜びである」ということを身を持って理解できる商品を開発し、市場に送り出していくことが大切になってきます。当社では、世の中の人々がどういう知的欲求を持っているのかというニーズの調査分析、シーズの研究開発に最大限の努力を注いでいます。そして、新しい教育サービスを社会に提案し続けていきたいと考えています。

教育の機会均等というテーマは、
当社の社会貢献の大きな柱。

 当社の事業の一つに衛星事業があります。これは、全国へのFC展開を進め、成長の大きな原動力になりました。それと同時に、大都市集中型の受験環境の改善にメスを入れ、大都市と地方との受験環境、とくに地方にいる受験生のハンディキャップを少なからず解消できました。受験という狭い範囲ではあるものの、「教育の機会均等」という点で社会の役に立てたのはではないだろうかと自負しています。当社がめざしている社会貢献とは、まさにこうしたものなのです。こうして世界の、あるいは人類の知的水準の向上に貢献していくという意気込みを全社員がもって毎日の仕事に取り組んでいます。
 FC展開は一三〇〇カ所のネットワークに広げていく計画ですし、衛星デジタル多チャンネル放送という新しい事業にも参入し、授業を一般家庭に向けて放送していく青写真も現実のものとなりつつあります。予備校・学習塾の経営を、昔ながらの寺子屋のようなスタイルから脱却させ、教育の機会均等にさらに貢献していこうと考えています。そもそも勉強したり、学んだりするチャンスは誰にも公平にあるべきで、地域による受験のハンデなどはあってはならないのです。

総合教育産業は、当社が
人の時代に描く自分の姿。

 ご存じのように、生産の三要素は「ヒト・モノ・カネ」といわれ、モノの時代、カネの時代を経て、現在は人の時代を迎えています。それを代表する企業が私たち当社でありたいと考えています。世界中の企業は優秀な人材を必要としています。また、日本の社会にはモノがあふれる豊かな時代が訪れ、人々は物質的な充足よりも、むしろ精神的な満足感を得られるモノに価値を感じるようになってきました。そして、学歴偏重から能力重視の時代へ、さらに高齢化社会へという変化も遂げています。学歴偏重からの脱却は、今以上に人々が自分の能力を高めていかなければならないことを意味しています。高齢化社会も単に長生きをするというだけではなく、長い年月にわたって仕事や趣味に喜びを感じていく時代が到来したことを示しています。そうした中、人々の最大の関心事になっているのは、紛れもなく自己の知的水準を高めていくことです。自分の能力を磨く。そのための手段に教育や学習があるわけです。二一世紀になれば、必要な知識装備もさらに上がると言われ、教育産業は一〇〇兆円規模の市場になることが予測されています。当社がそのトップ企業として、一兆円企業へと発展していくことも夢ではありません。いかに人生の価値を見つけるかを提案をしていく総合教育産業。それが当社の未来図なのです。