1972年、技術者の仲間たちが集まり、彼らの手によって設立された会社。それが特殊ねじの専門メーカーだ。こうした設立の背景からもうかがえるように、新しい技術に対する追求心は旺盛で、直径0.4mmのピンを0.1〜0.03mmの誤差で製造する技術も確立している。また、社員一人一人の仕事の創造性を大切に考えた社内環境づくり、ガラス張りの経営や公正な分配を実践していることも見逃せないポイントの一つといえよう。

カメラやファミコンにも
欠かせないマイクロネジ

 さまざまな精密機器や電子機器などに欠かせない存在である各種のねじ。当社は1972年の設立以来、ねじの中でも高い精度が要求される特殊ねじの開発・製造を中心に手がけてきた専門メーカーです。とくに、カメラの内部構造に使われている精密ねじや、ファミコンのコネクターなど、マイクロネジといわれている極小ねじの分野で強さを発揮しています。ミクロの技術を通じて、ハイテク産業を大きく支えているわけです。

直径0.4mmのピンを
0.03mmの誤差で造る技術

 より小さく、強く、軽く、そして高精密に。ユーザーから寄せられる要求は、年々厳しさを増しています。当社では、国内トップレベルの技術力をもとに、ねじ山を切ってあるタイプの製品では直径0.6ミリ、ねじ山がないピンでは直径0.4ミリという極小のねじ・ピンの製造に成功。しかも許容される誤差は0.1〜0.03ミリという、超精密な製造技術も実現しています。こうした超精密な製品を生み出す基礎になっているのが、当社が独自に蓄積してきた圧造技術です。ねじの製造には、切削と圧造という2つの方法があります。一般に圧造は材料費・生産性の点で有利なものの、精度の点で難しいという特徴がありました。しかし、当社では圧造によって、低コストで、効率的に、品質の確かな製品を製造する技術を確立。無人化された圧造工場では、不良品混入率100万分の1というレベルで製品が製造されています。また、熱処理システム、自動計量包装機、パソコンによる検査・解析システムの活用まで、幅広い面で新しい技術を追求しています。

創造性を大切にした環境と
ガラス張りの経営

 当社は、ねじの専門メーカーから脱サラ・独立した技術者が設立した集団です。①創造(常に飽くなき想像力を発揮しよう)②誠実(誠実な製品を社会に送り出そう)③信頼(常に信頼と和を重んじよう)④繁栄(永遠の相互繁栄をめざそう)という4つの基本方針のもと、人と技術の未来を考える企業をめざしています。積極的なFA化によって仕事の創造性を高めると同時に、ガラス張りの経営と公正な分配を重視。社員一人一人が仕事に熱中できる社内環境を形づくっています。