NAGASE's GUIDE FOR BEGINNERS
教育産業をめざす人は、
これを読まなくてははじまらない!
当社の憲法
教育の理想は、いろいろな時代背景のもとでその姿を変えていく。
生涯教育に対する人々の関心の高まり、
衛星デジタル多チャンネル通信を利用した教育など、
21世紀を目前に控えた今、まさに教育のあり方が大きく変わろうとしている。
当社が掲げる「教育のイノベーション」を推進していく
大きなチャンスを迎えているといえよう。
そして、イノベーションは一過性のものではない。
常に新しい時代の理想に向けて、教育産業をリードしていくこと。
当社では、それが自らの使命だと考えている。
全社員が共有する当社の企業理念、
理想の教育に向けた社員の熱意は、これからも永遠に変わらない。
宣言
われわれは
歴史の転換点に立って、
個人の尊厳を守るために先人が築いた
自由と平等と平和に感謝し、
「努力することこそ人生の真・善・美である」を信条として、
個性が花開く感動的な人生と
活気と隣人愛にあふれる社会の実現のために、
教育の技術革新を果敢に推進し、
同一の運命に向かう世界に
新しい教育体系を構築しようと、
相集い、力を合わせ
使命を継承して、これを完遂することを
ここに、宣誓する。
生徒第一主義を貫き、教育のソフトを充実
教育で最も大切なこと。それは、まず生徒がより深く理解でき、また勉学に対する意欲を持続できるような環境を提供していくことである。当社ではそう考えている。そのため、授業の中身の充実には、常にできる限りの力を注いできた。たとえば講師陣の能力が低ければ、当然、生徒の理解度も向上しない。授業への興味も損なわれるかもしれない。そこで、大学予備校部門では、有能な講師を全国から集めることに専念。講師が自慢ですという広告のキャッチコピーの通り、有能な講師によって充実した授業を実施している。こうした展開が多くの人々から支持を受け、生徒数を急速に拡大してきたのである。
授業の質を決めるのは、講師の力だけではない。教務部の社員が授業の品質管理を受け持ち、モニターで一つ一つの授業を厳しくチェック。もし、内容に疑問を感じたなら、講師陣に対して細かい注文を出していく。同時に、授業の進行管理も担当し、スケジュール通りに授業が進むようにコントロールしていく。また、生徒に対しては志望校の相談から成績の細かな管理まで、きめ細かなコンサルテーションを行い、最大限の学習効果が得られるように努めていく。何よりも生徒を第一に考える企業姿勢。それが当社の原点なのである。
通信衛星による「サテライブ」が
教育情報の地域格差を解消
充実した授業をより多くの人々に受講してもらう。これには大きな壁があった。当社の特徴は選りすぐった講師陣であり、教室数の急拡大は講師陣や授業の質的低下にもつながりかねない。こうした課題を解消したのが、衛星授業「サテライブ」や、FC(フランチャイズ)展開による衛星予備校だ。
通信衛星で中継をすれば、鮮明な画質と音声で人気の一流講師の授業を大勢の生徒にリアルタイムで提供することができる。それも、ただ一方的に授業を流すだけではない。営業スタッフが全国をまわり、当社の教育理念に賛同してくれるをFC加盟校を開拓する。授業が一方通行にならないよう、FC拠点となる加盟校に情報やノウハウを提供し、生徒に対するフォローも徹底している。また、FC加盟校に安定した経営を推進してもらうために、生徒募集活動や教室運営といった支援を本部のエリアカウンセラーが緻密に行っていく。これにより、全国どこにいても質の高い授業が受けられるようになり、受験の地域的なハンディキャップの解消という教育産業の社会的な使命も果たしているのである。衛星事業をスタートしてから4年あまり、現在までにFC契約を結んだ学習塾や予備校は750校に達し、2年後には1300校の加盟をめざしている。そして、FC加盟校の教育情報ネットワークは、今後の事業展開の中で強力な基盤となっていくだろう。
衛星デジタル多チャンネル放送参入で実現した
デジタル革命の教育チャンネル
日本初の衛星デジタル多チャンネル放送。当社ではいち早く、この衛星デジタル多チャンネル放送に参入することを決定。放送ビジネスに関する準備を着々と進めてきた。すでに、大学受験に関する授業や情報を提供するチャンネル、中学校受験や教養講座などのチャンネルと、2つチャンネルを確保。「サテライブ」では授業の配信先が直営校やFC加盟校に限られていたが、家庭に直接授業を提供することができるようになった。近くにいい予備校がない受験生も、アンテナとデコーダーを購入して、希望する講座を申し込めば、自宅のテレビで授業が受けられる。そうなれば、長い時間をかけての予備校への通学も、深夜におよぶ学習塾通いも大幅に解消されることになるだろう。また、授業の中には集合授業という形態で効果を発揮するものもある。そこで、FC加盟校がターミナル的な機能を発揮し、学習の指導や相談、コンサルテーションを行っていく。
そして、当社自身もまだ衛星デジタル多チャンネル放送の具体的な可能性を模索している段階である。衛星デジタル多チャンネル放送への参入は放送ビジネスへの進出をも意味している。放送する授業は、番組である。教育という基本テーマに沿っていれば、従来の当社の枠にこだわることはない。ディジタル化の波の中で教育の一大イノベーションを巻き起こそうとしているのである。
あらゆる教育分野の「CONTENTS MAKER」となり、
教育産業の「DEFACTO STANDARD COMPANY」をめざす
若年層の人口はゆるやかな減少傾向をたどっている。18歳人口を例にとるとピークだったのは1990年の270万人。現在まで少しずつ減り続け、21世紀には150万人を切るだろうと言われている。そのため、すでに学習塾・予備校の経営は厳しい時代を迎え、業績を悪化させるところも増えてきた。そうした中にあって、当社は二ケタの成長を実現し、1995年に130億円の売上高を達成。増益率は、対前年比278%アップという高水準をマークしている。
成長力の背景にあるのが、全方向に広がりを見せている事業展開だ。大学受験だけのビジネスなら、生徒との出会いは一度である。しかし、生徒が大学生や社会人になったときに、また別の教育機会を提供できれば出会いは2度3度と増えていく。しかも、企業における実力主義の浸透、高齢社会への移行などによって、生涯教育に対する人々の関心は飛躍的に高まっている。「自分を磨く行動」のすべてが、当社のマーケットになっているのである。現在、大学生・社会人を対象とするスクールでは、資格取得講座をはじめ、カラーコーディネイト、フレグランス、フラワーデザインなどの教養講座を開講。また、パソコンが不可欠のビジネスツールになった現状をにらんで、新宿にPCスクールを開校。初心者向けのパソコン基礎講座から本格的なプロ養成のための講座まで、ビジネスマンを対象に様々なレベルのパソコン学習を行っている。さらに、これらの事業が衛星デジタル多チャンネル放送とも結びつき、当社の活動領域は加速度的に広まっていく。
そして1996年、当社では21世紀に向けた事業戦略を策定した。その内容は、(1)教育分野のコンテンツメーカーとなり、(2)デジタル革命の波に乗る、(3)そして各事業部門のシナジー効果を狙い、(4)オープンなネットワーク構築し、(5)ディファクトスタンダード(事実上の業界標準)をめざす、という5つの柱で構成されている。当社はこの5つの戦略を基本に、21世紀における教育産業のリーディングカンパニーへの成長をめざしていく。
2000年4月1日の当社
予備校の会社…。当社をその程度にしか理解していない方は、当社に入社することを塾や予備校の講師になることだと誤解してはいませんか?
今から21年前、1976年に当社は塾としてスタートしました。確かにかつては社長を先頭に、社員全員が教壇で熱弁を奮う会社でした。しかし、今となってはそれも昔話です。
企業当社は「教育はビジネスである」というスタンスをとっています。事業展開上の制約が多い「学校法人」ではなく、自由度が高い「株式会社」を貫いています。そして、1988年には株式の店頭公開を果たし、資金調達力を強化。「教育のイノベーション」を推進するために斬新な戦略を打ち、新たな事業に向けて積極的な投資を行っています。
多角的な教育ビジネスを展開する現在の当社には、全社員が男女の区別なく総合職として活躍するフィールドが広がっています。仕事内容は一言では説明できませんが、すべての職種に共通して言えるのは「教えるだけ」「事務だけ」という仕事は一切ないということです。
また、当社には実力主義の風土があり、1年目から責任ある仕事が任されます。それを重荷に感じるか、やりがいに感じるかは、当社を選択する上で重要な要素になるでしょう。さて、縁があれば来春、当社に入社されるみなさんは、2000年4月1日に入社3年目を迎えることになります。そのとき、創立25周年を迎える当社で皆さんはどれだけスケールの大きい企業人に成長しているのでしょうか。1997年4月1日に入社3年目を迎える3人のメッセージから想像してみてください。