2×4のトップメーカーとして、
住宅産業のあるべき姿を自ら示唆する。
「質の高い企業」というコンセプトのもと、質を重視した戦略を展開する当社。2×4の世界でトップの販売戸数を築いているが、業績ばかりでなく、トップメーカーとして発揮しているリーダーシップにも目を見張るものがある。2×4メーカーは、住宅産業は、こうあるべきではないかという同社の経営思想、そして企業姿勢を感じてほしい。
2×4住宅の
トップメーカー
国内の2×4住宅の普及とともに歩んできた会社であり、年間およそ1万棟におよぶ2×4住宅を供給している。この数字は、2×4住宅の総販売戸数の約17%にあたる。
情報化された
工業化の推進
パーソナルデザインのコンセプトを貫き、営業・設計・生産・施工までのトータルな統合情報システムを確立。1棟1棟、オリジナルデザインの住宅を効率的に提供している。
新しい住宅文化を
創造する
免震住宅、環境共生住宅、高齢社会対応住宅、森林資源に配慮した建築パネルづくりなど、常に新しい技術を追求。住宅産業が持つ社会性を重視した事業を展開している。
質の高い先進企業を
テーマに事業を展開する
日本に2×4工法が導入された一九七四年。当社はこの年に生まれた。2×4工法に最初に取り組んだ企業であり、初の2×4専門企業であった。以来、日本の気候や風土に適した2×4住宅を探求し、ハード面では「免震住宅」や「超高断熱住宅」といった新技術を開発。また専任のインテリア・コーディネイターがお客様ごとに対応したり、「二〇年保証システム(十年目有料メンテナンス条件付き)」を導入したりと、豊かな住文化の創造に向けてリーダーシップを発揮。常に新しい試みを繰り広げながら、2×4住宅のビジネスをリードしてきた。
創立二〇周年を迎えた九四年には、東証一部への株式上場を実現し、一一万戸という累計の総販売戸数も達成した。現在の年間販売戸数は一万戸を越えているが、これは国内の2×4の販売戸数の約一七%にあたる数字。まさに、トップメーカーとしての歩みを続けていることになる。そして、二〇周年を機に「質の高い先進企業」というビジョンを打ち出し、現在は「質の戦略」を展開中だ。
同社ではSGS(スーパーグレードシステム)と呼ばれる超高級住宅や輸入住宅などへの取り組みを始め、高次元の住ニーズに応えている。アメリカの高級住宅をモデルにした輸入住宅は、構造材や装飾部材、家具類までを輸入製品を使用している。こうした新事業も質の戦略の一つの表れといえるだろう。
オーダーメイドの住宅を、
仮想空間で事前に実体験できる、
画期的なシステム
同社は、「パーソナルデザイン」に強いこだわりを持つ企業である。お客様の要望や生活フスタイルを重視し、自由な設計のプランを個別に提供。業務の合理化の面でも「情報化された工業化」を推進しており、独自のコンピュータ統合生産システムにその特徴が見られる。全拠点に導入されたCADでプランニングや設計を行い、カラー画像でお客様に提示する。そのデータが工場のCAMとつながり、部資材を生産されていく。誤解しないでほしいのは、いわゆるプレハブ化、規格化とは全く異なっていることだ。個別のプランに応じて特注品を自動生産するシステムなのである。
そして九六年にオープンした店舗。ここでは、実際の図面データから作成された3DCGを自在に操る、バーチャルリアリティのサービスを提供している。お客様自身がレバーを操作して、大画面の仮想空間に表れた新居を自由に歩き回れるのだ。住宅は一棟一棟がオーダーメイドであり、完成してみなければ新居の実体験ができなかった。仮想空間でそれを可能にしただけに、大きな反響を呼んでる。
2×4メーカー、
さらに住宅産業のあり方を示す
人々が、そして住宅メーカーが注目しているもの。それは耐振性についてであろう。当社では八六年に免震住宅の研究をスタートし、八九年には木造住宅初の免震システムの開発に成功。すでに実用段階に入っている。このように耐震・免震技術に対する同社の取り組みは本格的だ。阪神・淡路大震災の直後、三カ月という期間を費やして自社物件三五六八棟の被害状況や補修方法を調査し、その結果を公表している。住宅メーカーが自社物件の被害状況を公表した例は珍しく、このあたりにも情報公開によって耐震技術の向上に貢献していこうという姿勢が表れている。実績がトップであるだけでなく、2×4メーカーのあり方、住環境に関わる企業のあり方を示唆しているといえるだろう。
ほかにも、「高齢社会対応実験住宅」「地下室付き住宅」、太陽光発電の「環境共生住宅」、米国企業との提携による省資源の高性能断熱材の生産、大きな木の伐採を必要としない「ヘビーティンバー工法(大断面木構造)」の確立など、次々と新しい取り組みが進んでいる。また海外に目を向けると、良質な部資材の安定調達、技術や情報の収集を目的としてカナダとアメリカに現地法人を設立。主にカナダから独自ルートで構造材を輸入しており、その量はカナダから日本に輸入される2×4材のおよそ二〇%を占めている。家づくりを通じた国際交流が高い評価を獲得し、カナダ大使から第一回の「ビジネス功労賞」を受賞。最近では米国の住宅展で「ベストマーケティング賞」を受賞している。
研修センターは、
質の戦略を推進するための基礎
最後に、人材育成にも触れておこう。同社では九一年に、大規模な研修センターを完成させた。年間約二〇〇の研修カリキュラムを実施しているが、その環境は商品説明会や国際コンベンションにも利用されるほど充実している。こうした研修設備の整備・強化には、将来に向けた人材の育成という狙いがある。営業の仕事でいえば、情報化が進んだため、お客様とのやりとりやプランニングといった創造的な業務の割合がさらに増えてきた。お客様をよく知り、一緒になって世界でただ一つの家づくりを進めていく。パーソナルデザインの考え方がさらに深まっているのである。その役割を見る限り、質の戦略を担うのは人材であり、研修センターはそのための基礎といえそうである。